慢性的な疲れが抜けない人が見直したい回復習慣の整え方

休んでいるはずなのに、疲れが次の日まで残っている。週末はゆっくり過ごしたのに、月曜日の朝にはもう体が重い。

こうした状態が続くと、「もともと疲れやすい体質なのかもしれない」と考えたくなることがあります。

けれど、疲れやすさだけではなく、日々の中で十分に回復する時間や条件がつくれていないこともあります。睡眠は取れているか。休憩中まで情報を受け取り続けていないか。ほとんど体を動かさない日が続いていないか。食事が乱れていないか。

疲れが長く残るときは、一つの方法で何とかしようとするより、回復を支えている習慣を順番に見ていくほうが整理しやすくなります。

この記事では、疲れが抜けにくいときに見直したい、休息・入浴・睡眠・運動・食事の基本をまとめます。

 

疲れが抜けないときは「回復の時間」を振り返る

疲れには、体を使ったことによる疲労もあれば、集中や判断、人とのやり取りが続いたあとの精神的な疲れもあります。実際にはどちらか一方ではなく、両方が重なっていることも少なくありません。

たとえば、一日中デスクワークをしていた日は、体を激しく動かしていなくても、夕方にはぐったりすることがあります。画面を見続け、情報を処理し、判断を繰り返していれば、それだけでも疲れます。

そのあとソファで横になりながらスマートフォンを見続けていると、体は止まっていても、新しい情報は入り続けます。「何もしていないのに休んだ気がしない」というときは、こうした過ごし方が重なっていることもあります。

また、疲れているのに夜になっても頭が冴えている、布団に入ってから仕事のことを考え続けてしまうという状態もあります。活動する時間と休む時間の切り替えがつきにくくなっていると、睡眠時間を確保していても、十分に休めた感覚につながらないことがあります。

まずは「何時間休んだか」だけではなく、その時間に何をしていたかを振り返ってみましょう。

 

回復を妨げている習慣を整理する

疲れが抜けにくいとき、何か新しい回復法を始める前に、今の生活の中に休みにくくしているものがないかを見てみます。

一つは、休憩時間まで画面を見続けることです。仕事の合間にSNSを開き、帰宅後は動画を見て、眠る直前までスマートフォンを触る。内容は仕事ではなくても、注意を向け続ける時間は途切れません。

すべての画面時間をなくす必要はありません。昼休みのうち10分だけ外へ出る、入浴中はスマートフォンを持ち込まない、眠る前だけ画面から離れる。少し空白をつくるだけでも、休み方は変えられます。

食事の時間も確認してみましょう。帰宅が遅く、眠る直前にしっかり食べる日が続いているなら、食事の量や時間を調整できないか考えてみます。夜遅くなる日は軽めにするなど、自分の生活に合わせた方法で構いません。

そして、意外と多いのが「疲れているから動かない」という状態が長く続くことです。一日中座ったままで過ごすと、肩や腰がこわばり、体の重さを感じやすくなることがあります。

疲れを取るために運動を頑張る必要はありません。席を立つ、少し歩く、肩を回す。そのくらいでも、動かない時間を区切ることはできます。

 

入浴|一日の活動を終える時間として使う

入浴は、特別な準備をしなくても生活の中へ組み込みやすい休息の一つです。

湯船に浸かると体が温まり、座りっぱなしや立ちっぱなしでこわばっていた体もゆるみやすくなります。肩や腰が重い日に、温かい湯の中で少し体を休ませるだけでも、シャワーだけの日とは感覚が違うことがあります。

もう一つの役割は、「ここで一日を切り替える」という時間をつくれることです。

入浴中まで仕事のメールを確認したり、動画を見たりするのではなく、その時間だけ何も見ない。湯の温かさや呼吸に意識を向ける。そうすると、活動していた状態から少しずつ離れやすくなります。

眠りやすさを意識するなら、就寝の1〜2時間ほど前に入浴する方法もあります。熱すぎる湯で長く頑張る必要はなく、38〜40℃前後の心地よい温度で、無理のない時間だけ浸かれば十分です。

入浴剤は、香りや湯触りを楽しむために使ってもよいでしょう。何を入れるか以上に、「ここからは休む時間」と感じられる習慣になっていることのほうが大切です。

 

睡眠の質を整えることが回復の土台になる

疲れが抜けないとき、やはり外せないのが睡眠です。

ただし、睡眠は「何時間寝たか」だけでは判断できません。7時間布団に入っていても、寝つくまでに長くかかったり、夜中に何度も目が覚めたりしていれば、朝に休んだ感覚が残りにくいことがあります。

まずは、眠る前の1時間ほどを振り返ってみましょう。

寝る直前まで仕事をしていないか。明るい画面を見ながらベッドへ入っていないか。夜遅くに長い昼寝をしていないか。こうした小さな習慣が重なると、眠る時間になっても気持ちを切り替えにくくなることがあります。

寝室の環境も、自分が気になるところから整えてみます。暑すぎる、寒すぎる、外の光が入る、音が気になる。眠りを妨げているものがあるなら、それを一つ減らすだけでも構いません。

また、休日だからと昼近くまで眠る日が続くと、夜に眠れず、翌朝また起きにくくなることがあります。毎日同じ時間に起きる必要はありませんが、平日と休日で起床時間を大きくずらしすぎないほうが、生活のリズムは保ちやすくなります。

 

軽い体の動きが回復を助ける

疲れている日に、さらに運動しようと思えないのは自然です。

ここで必要なのは、トレーニングを頑張ることではありません。長く座っていた体を少し動かすことです。

首や肩を回す。背中を伸ばす。数分だけ外へ歩きに出る。エレベーターではなく階段を一階分だけ使う。そうした小さな動きでも、同じ姿勢を続けていた体には変化になります。

とくにデスクワークでは、仕事による疲れと、動かなかったことによる体の重さが混ざっていることがあります。帰宅後に軽く歩いてみると、意外と体が楽になるという方もいます。

散歩は、体を動かすだけでなく、画面や仕事から離れる時間にもなります。イヤホンを外して歩く、少し遠回りして帰るなど、気分の切り替えとして使ってもよいでしょう。

就寝前なら、強い運動ではなく、呼吸を止めずにできる軽いストレッチ程度が取り入れやすくなります。肩や腰を気持ちよく伸ばし、「運動した」というより「固まっていた体を戻した」くらいで十分です。

 

食事と栄養|回復するための材料を不足させない

疲れが続くと、栄養ドリンクやサプリメントで補いたくなることがあります。その前に、一日の食事が大きく崩れていないかを見てみましょう。

朝食を抜き、昼はパンだけ、夜にまとめて食べる。忙しい時期にこうした日が続けば、エネルギーや栄養素を十分に取れないことがあります。

特別な「疲労回復食」を用意する必要はありません。ごはんやパンなどの主食に、肉・魚・卵・大豆製品などのタンパク質、野菜や果物を組み合わせる。毎食完璧に揃わなくても、一日全体でバランスを取るくらいで考えます。

ビタミンB群はエネルギー代謝に関わり、肉類や魚、卵、大豆製品などさまざまな食品に含まれています。鉄は酸素を運ぶヘモグロビンをつくるために必要で、不足すると疲れやすさや息切れなどにつながることがあります。

マグネシウムやビタミンCなども体のさまざまな働きに必要ですが、一つの栄養素だけを大量に取れば疲れが解消するというものではありません。

サプリメントは、食事では不足しやすいものを補うための手段として考えると使いやすくなります。とくに鉄などは、不足しているかどうかを自己判断しにくいため、強い疲れが続く場合はサプリを増やす前に医療機関で相談する方法もあります。

 

まとめ|疲れを翌日に持ち越しにくい習慣をつくる

慢性的に疲れが残っているときは、「もっと休まなければ」と考えるだけではなく、普段どのように回復しているかを一度見てみましょう。

休憩中まで画面を見続けていないか。眠る直前まで頭を使っていないか。一日中ほとんど動かずに過ごしていないか。食事が極端に乱れていないか。

そこから、今いちばん変えやすいものを一つ選びます。

入浴中だけスマートフォンを置く。休日も起きる時間を大きくずらさない。仕事の途中で10分歩く。夜遅くなる日は食事を少し軽くする。小さなことでも、毎日続けば回復する時間のつくり方は変わっていきます。

一方で、十分に眠り、生活を整えても強い疲れが長く続く場合や、日常生活に支障が出るほどのだるさ、息切れ、動悸、発熱、体重の大きな変化などがある場合は、「疲れだから」と決めつけず、医療機関へ相談してください。

疲れを完全になくすことより、その日の疲れをその日のうちに少し戻せる生活にしていくこと。まずは、回復を妨げている習慣を一つ減らすところから始めてみましょう。

 

参考資料


厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html

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