
発酵食品は美容にいい?肌との関係と毎日の取り入れ方
肌の調子が気になるとき、化粧水や美容液を変えたり、保湿を丁寧にしたりと、まずは外側からのケアを考えることが多いものです。一方で最近は、「腸活」や「発酵食品」と美容を結びつける情報を目にする機会も増えています。
味噌や納豆、ヨーグルト、甘酒など、発酵食品はもともと私たちの身近にある食べ物です。健康によいイメージもありますが、発酵食品を食べることが、そのまま肌をきれいにすることにつながるのでしょうか。
実際には、発酵食品と肌の間を一本の線で結ぶことはできません。ただ、腸内細菌と免疫、皮膚との関係については研究が進み、「腸‐皮膚軸(gut-skin axis)」と呼ばれる考え方も注目されています。
肌を外側だけのものとして見るのではなく、身体全体の一部として眺めてみる。そうすると、発酵食品との付き合い方も少し違って見えてきます。
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発酵食品が美容によいと言われるのはなぜ?
発酵とは、乳酸菌や酵母、麹菌などの微生物の働きによって、食品の成分が変化することです。日本の食卓には、味噌、醤油、酢、納豆、漬物、甘酒など、昔からさまざまな発酵食品があります。ヨーグルトやチーズ、キムチなども身近な発酵食品です。
発酵によって生まれる変化は食品によって異なります。独特の風味や香りが生まれたり、保存しやすくなったり、微生物やその働きによってさまざまな成分がつくられたりします。そのため、「発酵食品」と一括りにしても、中に含まれているものや身体への働きまで同じというわけではありません。
また、発酵食品だからといって、必ず生きた菌を摂れるわけでもありません。製造後に加熱される食品では微生物が生きていないこともありますし、反対に、ヨーグルトや納豆などのように摂取時にも微生物を含むものがあります。
それでも発酵食品が健康や美容との関係で注目されている背景には、近年の腸内細菌研究があります。腸の中に存在する多様な微生物が、消化だけでなく、免疫や代謝など身体のさまざまな働きと関係していることがわかってきたからです。
2021年に生命科学分野の国際的な学術誌『Cell(セル)』に掲載された、36人の健康な成人を対象とした介入研究では、発酵食品を多く取り入れた食事を続けたグループで、腸内細菌叢の多様性の増加や一部の炎症関連指標の低下が観察されました。ただし、これは発酵食品全般が誰にでも同じ変化をもたらすことや、その結果として肌がきれいになることを示した研究ではありません。
発酵食品については研究が続いていますが、食品の種類も、そこに含まれる微生物や成分も、人それぞれの腸内環境も異なります。「発酵しているから美容によい」と単純に考えるのではなく、食生活全体の中にある一つの要素として見ることが大切です。
腸と肌は離れているようで、無関係ではない
腸と肌は、身体の中と外に離れて存在しています。それでも近年、この二つの関係を「腸‐皮膚軸(gut-skin axis)」として捉える研究が進められています。
腸内細菌叢の状態と、アトピー性皮膚炎、乾癬、ニキビなどの皮膚疾患との関連を報告した研究があり、その背景として免疫系や炎症、腸管バリア、腸内細菌がつくる代謝産物など、いくつもの経路が検討されています。
たとえば、腸内細菌は食物繊維などを利用して短鎖脂肪酸と呼ばれる物質をつくります。短鎖脂肪酸は腸管の環境や免疫機能との関係が研究されている物質で、こうした腸内で起こる変化が全身を介して皮膚にも関係している可能性があります。
ただし、ここで「腸内環境が悪いから肌が荒れる」「腸を整えれば肌も整う」と結論づけるのは早計です。腸‐皮膚軸については関連を示す研究が蓄積されている一方で、その仕組みにはまだ解明されていない部分が多く残っています。
肌の状態も、紫外線や乾燥、スキンケア、睡眠、ストレス、食生活、体質など、さまざまな要因の影響を受けます。腸内環境はその中の一つとして考えるほうが、現在の研究状況には合っています。
発酵食品を食べれば「美肌になる」とは限らない
腸と肌の関係が研究されていることと、発酵食品を食べれば肌がきれいになることは、同じではありません。
発酵食品と皮膚については、ヨーグルトなどの発酵乳を含め、一部の食品やプロバイオティクスを対象とした研究があります。しかし、食品の種類や摂取量、研究対象となった人、評価する肌の状態などが異なるため、「発酵食品」という大きな括りで美容効果を断定できるほど単純ではありません。
そもそも腸内細菌叢には大きな個人差があります。同じものを食べても、身体の中で起こる変化まで全員同じになるわけではありません。
だからこそ、発酵食品を美容のための特別な食品として扱いすぎる必要もないのでしょう。肌のために何か一つを大量に食べるのではなく、日々の食事の中に自然に含まれているものとして取り入れる。そのくらいの距離感のほうが、長く付き合いやすくなります。
発酵食品は、いつもの食卓から取り入れられる
発酵食品を取り入れるために、特別な食生活へ変える必要はありません。味噌汁を飲む、納豆をごはんに添える、ヨーグルトを朝食に加える。日本の食生活には、すでに発酵食品を取り入れやすい選択肢があります。
大切なのは、「何を食べれば一番よいか」を探し続けることより、自分の食生活に無理なく入るものを選ぶことです。味噌や醤油のように塩分を含む食品もあれば、甘酒のように糖質を含むものもあります。発酵食品という言葉だけを見て量を増やすのではなく、それぞれを一つの食品として考える必要があります。
腸内細菌のことを考えるなら、発酵食品だけでなく、野菜、豆類、海藻、きのこ、穀類などから食物繊維を摂ることも大切です。発酵食品だけに目を向けるより、いろいろな食品を組み合わせた食生活を土台にする。その中に味噌や納豆、ヨーグルトなどが自然に加わっている状態で十分です。
毎日同じ発酵食品を食べ続けなければならないわけでもありません。今日は味噌汁、別の日は納豆やヨーグルトというように、暮らしに合わせて選ぶことができます。美容のための新しい習慣を増やすというより、普段の食事を少し広く見直してみる感覚です。
もっと手軽に取り入れたいなら、発酵由来素材を使った食品も
普段の食事から取り入れる方法が基本ですが、発酵由来の素材をもっと手軽な形で取り入れたい人には、こうした食品を選ぶ方法もあります。
「Bloome(ブルーム)」は、長野県白馬村を拠点とするreth株式会社が展開する、発酵由来素材を組み合わせたスティックゼリータイプの食品です。
使われているのは、国内製造の発酵米ぬか、米と米麹からつくられた甘酒、乳酸菌生産物質、寒天、レモン果汁。メーカーでは、発酵米ぬか・甘酒・乳酸菌生産物質の三つを組み合わせたものを「トリプル発酵設計」としています。
1ケース30本入りのスティックゼリーで、直射日光や高温多湿を避ければ常温で保存できるため、食品としての取り入れやすさは一つの特徴です。味噌や納豆、ヨーグルトとは違う形で、発酵由来素材を日々の暮らしに取り入れたい人には選択肢になるでしょう。
公式サイトでは、定期便は15日・30日・45日の間隔から選べ、お届けサイクルの変更やスキップはマイページから可能、解約もいつでも可能と案内されています。購入する場合は、価格やその時点のキャンペーン、定期便の条件を公式サイトで確認してから選んでください。
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なお、原材料には大豆が含まれているため、大豆アレルギーのある方は食べることができません。また、公式サイトでは、医薬品を服用している方や通院中の方は、医師または薬剤師に相談したうえで食べるよう案内されています。
肌を考えることは、毎日の食事を見直すことでもある
肌のケアというと、どうしても化粧水やクリームなど、肌に直接触れるものへ意識が向きます。もちろん、保湿や紫外線対策など外側からのケアは大切です。ただ、肌も身体の一部である以上、日々の食事や睡眠、ストレスなどと切り離して考えることはできません。
発酵食品と肌についても、「これを食べればきれいになる」という答えがあるわけではありません。腸と皮膚のつながりについて研究が進んでいるからこそ、一つの食品へ期待を集めるのではなく、身体の中ではさまざまなものが関わり合っていることに目を向けたいところです。
味噌汁を一杯つくる日もあれば、納豆やヨーグルトを選ぶ日もある。手軽さを優先して、発酵由来素材を使った食品を取り入れる日があってもいい。大切なのは、美容のために無理を重ねることではなく、自分の暮らしの中で続けられる形を見つけることです。
肌のために何かを足すことばかりを考えず、普段の食事を少し見渡してみる。発酵食品は、そんなところから取り入れていける身近な選択肢の一つです。
参考資料
腸内細菌学会「皮膚腸相関(skin-gut axis)」 https://bifidus-fund.jp/keyword/kw091.shtml
国立消化器・内視鏡クリニック「腸皮膚相関(gut-skin axis)」 https://kunitachi-clinic.com/column/
サントリーグローバルイノベーションセンター「美肌の秘訣は腸にあり?腸内環境と肌の密接な関係」 https://www.suntory.co.jp/sic/lifestyle-dx/report/title04.html
厚生労働省 e-ヘルスネット「腸内細菌と健康」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
De Pessemier et al. (2021). Gut-Skin Axis. Microorganisms, 9(2), 353. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7916842/