
セルフケアを続けるコツ|無理なく習慣化するための考え方
セルフケアの基本的なやり方については、こちらの記事で整理しています。
→ セルフケアのやり方|自分に合った整え方の見つけ方と実践手順
セルフケアを始めてみたものの、気づけばやらなくなっていた。最初の数日は続いたけれど、忙しくなった途端に途切れてしまった。
こうしたことは珍しくありません。
セルフケアが続かないと、「自分は習慣化が苦手なのかもしれない」と考えてしまいがちです。けれど実際には、意志の強さよりも、最初に決めた方法が今の生活に対して大きすぎたり、毎日同じように続けることを前提にしていたりする場合があります。
セルフケアは、一度決めた行動を途切れず続けることだけが目的ではありません。疲れたり、生活が乱れたりしたときに、自分なりの整え方へ戻れることも大切です。
この記事では、セルフケアが続かなくなる理由を見ながら、生活の中へ無理なく残していくための考え方を整理します。
セルフケアが続かない理由
セルフケアを始めるときは、少し気持ちに余裕があることも多く、「せっかくならきちんとやろう」と考えやすくなります。
その結果、最初から内容を増やしすぎることがあります。
最初にやりすぎてしまう
早く寝る。朝はストレッチをする。食事を整える。毎日歩く。夜は日記を書く。
一つひとつは、それほど難しいことに見えないかもしれません。けれど、これを一度に生活へ加えると、それまでなかった予定が毎日の中へいくつも増えます。
余裕のある日はできても、仕事が長引いた日や体調の悪い日には難しくなります。そして一つできなくなると、「もう続かなかった」という感覚につながりやすくなります。
セルフケアを増やしすぎて、それをこなすこと自体に疲れてしまうなら、本来の目的から少し離れています。
理想の形を基準にしてしまう
毎日同じ時間に眠る。週に何回か必ず運動する。食事はいつも整っている。そんな生活ができればよいと思っていても、現実には予定も体調も日によって変わります。
理想の一日を基準にすると、それができなかった日がすべて失敗に見えてしまいます。
昨日はできたけれど、今日はできなかった。その程度の揺れまで「続いていない」と考える必要はありません。
その日の状態を見ずに続けようとする
一度決めたことを守ろうとするあまり、今の自分に合わないセルフケアを続けてしまうこともあります。
疲れきっているのに運動をしなければと思う。睡眠不足なのに、朝活のためにさらに早く起きる。忙しい日に、いつものルーティンを全部こなそうとする。
セルフケアは、その日の状態を無視して守るルールではありません。
何をするかより、今の自分には何が必要なのかを見ること。そのほうが、本来のセルフケアには近くなります。
セルフケアは「続けるもの」ではなく「戻るもの」
習慣という言葉には、「毎日続ける」というイメージがあります。
けれど、セルフケアでは途切れないことより、途切れたあとに戻れることのほうが大切です。
生活が整っていても、忙しい時期はあります。帰宅が遅くなる日もあれば、疲れて何もしたくない日もあります。旅行や仕事の予定で、普段のリズムが崩れることもあります。
そうした変化をなくすことはできません。
そこで、「一度崩れたらやり直し」と考えるのではなく、「落ち着いたら、また戻る」と考えてみます。
数日運動できなかったなら、次に余裕のある日に少し歩く。夜更かしが続いたなら、翌週から眠る時間を戻していく。食事が乱れたなら、次の一食をいつもの形へ戻す。
こうして見ると、セルフケアは一本の習慣を守り続けるというより、生活がずれたときに自分なりの基準へ戻していく動きに近くなります。
「続けられたか」ではなく、「戻る場所があるか」。そのほうが、長い目では習慣として残りやすくなります。
小さくすることで続けやすくなる
セルフケアを生活へ残したいなら、調子のよい日にできる量ではなく、少し疲れている日でもできるくらいまで小さくしてみます。
たとえば、運動を始めるときに「毎日30分歩く」と決めると、まとまった時間が必要になります。
それを「外へ5分だけ歩きに行く」に変える。ストレッチなら、毎晩何種類も行うのではなく、肩や背中を一つだけ伸ばす。日記なら一ページ書くのではなく、一行だけ残す。
短すぎるように感じるかもしれません。
けれど、何もしない日と5分歩いた日には違いがあります。そして、5分で終わるつもりで始めたら、そのまま10分歩ける日もあります。
最初から大きな成果を求めないこと。始めるまでの負担を小さくすること。そのほうが、「今日は無理だからやめておこう」となる日を減らしやすくなります。
「できない日」を前提にする
毎日必ずできるセルフケアだけを探そうとすると、選択肢はかなり限られます。
仕事が忙しい日もあれば、予定外のことが起きる日もあります。何もしたくないほど疲れる日だってあります。
だから、最初から「できない日もある」と考えておきます。
一日休んだからといって、それまでの習慣がなくなるわけではありません。二日できなかったとしても、三日目にまた始めれば続きはそこからです。
途切れた日数を数えるより、戻るときのハードルを低くしておくほうが役に立ちます。
たとえば、普段は20分歩いていても、忙しかったあとの再開日は5分でよい。夜のセルフケアを全部やる余裕がなければ、照明を落として早めに横になるだけでもよい。
再開するときまで「いつも通り」を求めない。その柔らかさがあると、一度止まったことが終了になりにくくなります。
状態に合わせて変えていい
昨日の自分に合っていたことが、今日も同じように必要とは限りません。
よく眠れた日は、少し体を動かすのが心地よいかもしれません。寝不足の日なら、運動よりも早めに休むほうが必要なこともあります。
仕事で考え続けた日は静かな時間がほしくなる一方、一日中家にいた日は外へ出て歩いたほうが気分転換になることもあります。
セルフケアを「毎日これをする」という固定されたメニューにすると、この違いを拾いにくくなります。
そこで、「今日は何をするか」を決める前に、「今日はどんな状態か」を少し確認してみます。
疲れているのか。考えすぎているのか。体を動かしていないのか。眠れていないのか。
その日の状態によって、休む、歩く、入浴する、何もしないなどを選び直して構いません。
セルフケアは、決めたことを守るというより、そのときの状態に合わせて少し調整するものとして考えるほうが自然です。
疲れが続いているときの回復習慣については、こちらの記事で詳しくまとめています。
負担になっていないかを確認する
セルフケアを続けているはずなのに、「やらなければ」という感覚が強くなってきたら、一度その方法を見直してみましょう。
毎晩のルーティンが多すぎて、眠る時間が遅くなっている。健康のための運動が、疲れている日にも休めない予定になっている。記録を続けることが義務のようになっている。
こうなると、セルフケアのために新しい負担を抱えている状態です。
やめても構いません。回数を減らしてもよいですし、別の方法へ変えても問題ありません。
「続かなかったから自分にはセルフケアができない」と考えるのではなく、「この形は今の生活には合わなかった」と考える。それだけでも次の選択がしやすくなります。
自分を整えるためのものが、自分を追い立てるものになっていないか。ときどき確認しておくと、セルフケアを必要以上に重くせずに済みます。
セルフケアそのものの意味や、どのような方法があるのかを整理したい場合はこちらも参考にしてください。
→ セルフケアとは?意味・基本・簡単にできる考え方をわかりやすく解説
→ セルフケアの種類一覧|心・身体・生活習慣ごとにわかりやすく整理
まとめ|セルフケアは「戻れる形」で続く
セルフケアを習慣にするために、毎日完璧に続ける必要はありません。
最初から大きく始めない。できない日があることを前提にする。その日の状態によって内容を変える。そして、途切れても戻れるくらいの形にしておく。
それだけで、「続けなければならないもの」だったセルフケアが、生活の中で使えるものへ変わっていきます。
一週間続けられたか、一か月休まずできたかということより、疲れたときや生活が崩れたときに、自分なりの整え方を思い出せること。
習慣化するなら、その状態を目指すくらいで十分です。
セルフケアを始めるきっかけがほしい場合は、道具を補助として使う方法もあります。
参考資料
厚生労働省「こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」 https://kokoro.mhlw.go.jp/
厚生労働省「休養・こころの健康」 https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b3.html